コォヒィの文学小話

都内大学に通う国文学生が、自身の読書の記録を中心に、「本」に関する話題を書いています。

評論同人誌『SPRACH』に加入しました。

先日、評論同人誌『SPRACH』に加入いたしました。活動詳細は追ってご紹介いたします。

 

https://twitter.com/sprach_since15/status/1222496334785085442?s=21

 

活動とは直接関連しませんが、ツイートの一つをご紹介いたします。安倍総理も訪れたことで知られる(まぁどーでもいいことですが笑)定食屋「信年」さんにて。

 

どうぞご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

ライターデビューいたしました!

あけましておめでとうございます。

ブログの更新がすっかり止まってしまっており申し訳ございません。

 

大学院に進学してはやくも一年が経過しようとしております。

読書量は各段に増えたのですが、専門書ばかりでして、なかなか食に関する本を読めていません。2019年は何とかしたいのですが……。

 

さて、話は変わりますが、この度私、「メシ通」にてライターデビューさせていただきました。

 

www.hotpepper.jp

 

www.hotpepper.jp

 

本ブログの内容とは少々趣が異なりますが、「食」に関する内容となっております。

お時間のある時に、お読みいただければ幸いです。

 

それでは、本年もよろしくお願い申し上げます。

9月納豆は何よりありがたい

九月になりましたが、本日も最高気温が28度で、まだまだ夏の暑さは続いていきそうです。

しかし待ちに待った食欲の秋到来で、毎日毎日ほくほくしております(笑)。

夏バテで食欲をなくす体質でないこと、これが、私が親に一番感謝していることです(半分本気)。

 

さて、最近知ったのですが、このようなことわざがあるそうです。

 

「9月納豆は何よりありがたい」

(【ことわざからレシピ】9月納豆は何よりありがたい - サラダコスモ公式ブログ)

 

「9月に納豆?」と不思議に思いましたが、この時期(9月~11月)は大豆の旬で納豆も美味しくなり、また、納豆は栄養価が高いですから、繁忙期の農家のスタミナ源として重宝された……ということだそうです。

 

私も納豆は大好きで、一時期は毎日1パックは必ず食べており、親から「茨城県に引っ越せば?」などと言われたものです。

しかし、納豆=茨城県というのは我が親ながら貧困な発想であります(唐突なダメ出し)。納豆にも様々あり、例えばひきわり納豆の発祥は青森県津軽です。

 

青森で津軽と言えば、この土地出身の文豪太宰治も、納豆が大好きだったそうです。

作品でも、納豆に対する愛情が語られています。

 

二十三日。

「妻をののしる文。」

私が君を、どのように、いたわったか、君は識っているか。どのように、いたわったか。どのように、賢明にかばってやったか。お金を欲しがったのは、誰であったか。私は、筋子に味の素の雪きらきら降らせ、納豆に、青のり、と、からし、添えて在れば、他には何も不足なかった。

太宰治「HUMAN LOST」) 

 

納豆に青のりと言うのが面白いですね。

あ、「あおもり」だけに「あおのり」なんでしょうか?

 

…。

 

いやはや、暑さで頭がやられてしまっているようです。

 

それにしても、「HUMAN LOST」の主人公はさも良夫のように振る舞っていますが、「筋子に味の素が……」とあって、いまいち納得がいきません(笑)。当時は筋子は安かったのでしょうか?

 

他にも「おかずは?やはり納豆かね。」(太宰治火の鳥」)など、実は太宰の作品には何度も納豆が出てきています。 
 
秋と言えば秋刀魚の季節で、白米と、秋刀魚、納豆、味噌汁の定食などは定番ですが、秋を旬にする食材ばかりですから、もうこの時期のごちそうと言えそうです(笑)
 
秋刀魚と言えば、太宰と縁の深いあの文豪の好物ですが、それは次回に書くことにします。
 
 

 納豆に関する本でおすすめしたい本がこちら。

 

 

納豆の様に癖がありますが(笑)

 

 

護身用のウイスキー

開高健サントリーの前身である壽屋の社員で、柳原良平とタッグを組んでトリスウイスキーの売り上げに大きく貢献しました。

開高、柳原が生み出したものの中でも、特に、

 

『人間』らしく

やりたいナ

トリスを飲んで

『人間』らしく

やりたいナ

『人間』なんだからナ 

 

というコピーと、アンクルトリスは現在でも有名かと思います。

 

ウイスキーをはじめ、酒を愛した文豪や作家はとても多いです。

しかし、護身用にウイスキーを持ち歩いた……というのは、おそらく横溝正史くらいではないでしょうか?(笑)

 

いつのほどよりか自動車だけはアルコールの必要はなくなった。それでも護身用にとウイスキーのポケット瓶だけは忘れないが(以下略) 

『真説 金田一耕助

 

横溝は乗り物恐怖症で、乗り物への恐怖心を紛らわせるためにウイスキーを飲む、という訳です。

 

しかし、この話を読んだとき、「アレッ!?なんかこの話と同じような話をどこかで読んだことがあるような……」と気づき、少し考えて、「あ、谷崎だ」と分かりました。

谷崎潤一郎の「恐怖」に、次のような場面があります。

 

私はふと一策を案じ出して近所の洋酒屋からスコッチ、ウイスキーのポケット入りの壜をった。そうして、ベンチへれながら、其れをグビリ、グビリと飲み始めた。
酒の力で神経を一時麻痺させれば、大概の恐怖は取り除かれると云う事を、私は此れ迄の自己の経験に依って、迷信的に信じて居た。一番ぐでん、ぐでんに酔拂った揚句、前後不覚になって電車へ乗り込んだら、どうにかした拍子に気が紛れて大阪まで無事に行けるだろうと思ったのである。

 

「恐怖」では自動車ではなく電車ですが、乗り物恐怖症とウイスキーは同じ。江戸川乱歩を尊敬し、乱歩同様に谷崎を愛好した横溝ですが、こんなところで共通点がでてくるとは(笑)

 

私は以前はウイスキーハイボールで飲んでいたのですが、最近は水割りで飲んでいます。横溝も毎晩ウイスキーの晩酌をしていたそうで、勝手に親近感を覚えています(笑) 

 

真説金田一耕助 (1979年) (角川文庫)

真説金田一耕助 (1979年) (角川文庫)

 

 

 

 

 

とろろ昆布で熊を倒す

昨日8月29日はゲリラ豪雨に悩まされた一日でした。

昨日の雨と関係あるのかは知りませんが、現在台風15号が日本に接近しているそうです。

www3.nhk.or.jp

 

台風と言えば、繰り返しになりますがコロッケです(笑)。もう今年何度食べたか分かりませんが、「コロッケの唄」の男性のように嫌になるなんてことはありませんので、当然食べる予定です。

 

しかし、事前に分かっている雨ならばともかく、ゲリラ豪雨には本当に勘弁してもらいたいもの。

実際、昨日も雨宿りがてらドトールに入ることになりました。

以前雨宿りでカフェやファミレス……と書きましたが、私はもっぱらカフェ派で、そしてスタバよりドトール派です(笑)

 

hontocoffee117.hatenablog.com

 

雨と言えば、三島由紀夫に「雨のなかの噴水」という作品があります。

後期(中期から?)の三島はいわゆる中間小説的な作品が多く、これもその種の短篇の一つです。

人を食ったような題名ですが、三島らしく計算された短篇という印象で、意外と好きな短篇です。

 

そんな三島の中間小説的な長編作品に、「夏子の冒険」というものがあります。

高校生以下の夏休みは今日で終わりですから、夏にちなんだ作品を……ということで、この作品を選びました(笑)

 

「夏子の冒険」は角川書店主催の「カドフェス2017」の対象本ですし、映画化もしていますから、知っている方も多いかと思います。

www.kadokawa.co.jp

 

簡単に言ってしまえば、「情熱」の欠けた社会で「情熱」のある男性を求める夏子の物語で、三島が当時何を考えていたかがある意味分かりやすい形で表れています。

 

夏子が「情熱」を認めた男性は、恋人の敵である熊を殺すという決意を持った青年です。

さて、男性は熊を殺すことに成功する訳ですが、その熊を倒す直前の出来事が爆笑もの(笑)。何が面白いかというと、夏子の祖母の次のような行動、発言です。

 

祖母が渾身の力をふるって、お椀ごととろろこんぶを熊の鼻面へ投げつけた。 (略)

 

 「とろ……とろろこんぶを、私がぶつけたので、あの、ひるんで、逃げましてございます。 」

 

札幌土産で持ってきて、宿の女主人に渡したとろろ昆布。女主人の手により食卓にあげられた訳ですが、その食卓を熊が襲います(笑)

そこで夏子の祖母がとった行動が、逃げるでも気絶でもなく「とろろ昆布を投げる」だった訳です(ナンテコッタ!)

 

しかも、実際熊がとろろ昆布にひるんで逃げたのかと言えば、そうではないんです。実は一つ目の引用で(略)とした所に、真相が書いてあります。

 

祖母が渾身の力をふるって、お椀ごととろろこんぶを熊の鼻面へ投げつけた。実は、倒れかけた唐紙へぶつかっただけである。唐紙はとろろこんぶごと、四人の上へたおれてきた。

 

はい(笑)。という訳で、そもそもとろろ昆布は熊にかすりもしていなかったという訳です。

 

それにしても、三島の作品は細部まで作りに作られた作品という印象があるのですが、このとろろ昆布の場面、私には何のためにあるのかさっぱり分かりません(笑)

 

三島ファンの方、研究者の方、是非ともご教授を……。

 

夏子の冒険 (角川文庫)

夏子の冒険 (角川文庫)

 

 

ギョーザのような月

椎名誠に「ギョーザのような月が出た」という随筆があります。記事の名前はその引用です。

 

一般的な餃子の形はおそらく半円をちょっとつぶしたくらいで、言うなれば、太った三日月という感じでしょうか(笑)

 しかし、近年は餃子が多様化しており、味はもちろんですが、形も様々です。

 

例えば、神保町でいちばん人気の餃子屋である「スヰートポーヅ」の餃子は棒状で、皮を完全に閉じていませんし、

getnews.jp

 

千葉県に本店を構える「ホワイト餃子」はまん丸で、一見すると揚げまんじゅうのようです。

www.tokyogyoza.net

 

ホワイト餃子」なら「ギョーザのような月」にあてはまりそうですが(どちらかと言えば「ギョーザのような太陽」でしょうか?)、「スヰートポーヅ」の方はちょっと無理そうですね(笑)

 

上記二つの餃子も、普通の餃子とは一風変わった餃子であると言えますが、世の中にはもっともっと変わった餃子が存在します。

そのような異色の餃子の製作者の第一人者といえば、やはりパラダイス山本になるのでしょうか?

 

餃子の創り方

餃子の創り方

 

 

もはや皮に包まれていれば餃子、といった感じですが(笑)

 

椎名が言う「ギョーザのような月」は空に浮かんでいる月のことですが、ギョーザを食べる時期というものがあります。「ギョーザを食べる月」という訳です(笑)

 

その時期とは中国の旧正月春節)です。ご存知の通り、餃子は中国から伝わった食べ物(中国では主流は水餃子)です。中国では餃子は縁起ものとされているそうで、その理由は中国で清の時代までに使われていた貨幣と餃子の形が似ていることから、新年に食べると金運が上がる言われているからだそう(旧正月は餃子の日|隆祥房 参照)。

 

つまり、本場では「ギョーザは金のよう」という訳です。

 

「ギョーザのような月」、「ギョーザを食べる月」、「ギョーザは金のよう」と、今回は餃子で遊んでみましたが、そのせいか、今無性に餃子が食べたいです(笑)

私はもっぱら焼餃子が好きで、「孤独のグルメ」のゴローさんを真似している訳でもありませんが、酢と胡椒で食べます(笑)。ラー油も時々使いますが、べとべとするので餃子にはあまり使いたくないんです。

 

本当はハイボールと餃子が最高なのですが(笑)、まだ昼ですから我慢して、白米で我慢してこようと思います。