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コォヒィの文学小話

都内大学に通う国文学生が、自身の読書の記録を中心に、「本」に関する話題を書いています。

文学に扱われた「朝ごはん」

文学 読書 料理

今週のお題「朝ごはん」

 

青空文庫を見てみますと、一見して「朝ごはん」に関係することが伺える二作品があります。一つは島崎藤村「朝飯」、二つは林芙美子「朝御飯」です。

 

島崎藤村は「夜明け前」や「破戒」で有名かと思いますが、現代では読まれることも少ないのではないでしょうか。代表作であるこの二作、文庫本でなかなかのボリュームがありますから(笑)

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例えば岩波文庫版「破戒」。解説も含めますと350pを超えます

 

しかし、「朝飯」はごくごく短いので、手軽に読むことが出来ます。そして、読めば分るのですが、なかなかユーモラスな作品です。ちょっと教訓臭いところが鼻につきますが(笑)

 

次に林芙美子ですが、何と言っても「放浪記」で有名でしょう。一九六一年に菊田一夫脚本(菊田と言えば、「君の名は」がありますね)で初演され、二〇一六年には仲間由紀恵が主演を演じていました。

この「放浪記」は発表当時(一九三〇年)にベストセラーとなりました。林はそれにより手にしたお金で海外旅行をします。この海外旅行、実はこれ自体が興味深い行為なのですが、今回は省略します(笑)

「朝御飯」は、その海外旅行の中で、ロンドンに滞在していた当時のことを書いたものです。島崎と異なるのは、こちらは食べ物がポンポン出て来るので、読んでいてお腹が空いて来るということです。作中から一つ、ちょっと凄いやつを紹介します。

 

うには方々のを食べてみたけれど、金沢のうにが一番うまいと思った。これは朝々パンをトーストして、バタのように塗って食べるのだけれど、これは、ちょっとうますぎる感じ。

 

実に羨ましいものです。当時の雲丹の値段、ちょっと判然としませんけれど、「うますぎる」という表現からは、やはり「雲丹は高価だったんじゃないかな?」と感じます。

 

私は林のように雲丹とはいけず、バター…も高いので、マーガリンをパンに塗って食べていますが、焼いて、塗って、焼いて、塗って…で、驚く程美味しく食べれるものです。

 

もし興味を持たれた方は、よろしければお読みください。

島崎藤村 朝飯

林芙美子 朝御飯