コォヒィの文学小話

都内大学に通う国文学生が、自身の読書の記録を中心に、「本」に関する話題を書いています。

食べたいけど太りたくない!そんな人に送りたい文学作品(阿刀田高「わたし食べる人」)

糖質制限…私には絶対無理です(笑)

近頃世間を賑わしている糖質制限。健康面の問題があるやらないやらと論議されていますが、そもそも炭水化物が大好きな私には糖質制限なんて絶対に無理です。昨日もサツマイモをおやつに二本食べてしまいました。サツマイモの旬は九月から十二月とされていますが、干し芋が素晴らしく美味しいことからも分かる通り、少し時間を置いた方が美味しいので、この時期こそまさに食べ頃。寒い中でアツアツホクホクの蒸かし芋、焼き芋を食べる口福を考えますと、やはり糖質制限は私には無理です。

 

しかし太るのはやっぱり嫌です

しかし糖質制限を行う気持ちは分からなくもありません。私は別にそこまで体型に頓着する方ではないと思いますが、それでも別に太りたいと言う訳ではありません。理想は好きなものを好きなだけ食べて、なおかつ痩せていることですが、そんな都合の良い話はない……という所で、ようやく本題に入る訳です。

 

これこそ理想の食事法!?

阿刀田高は一九三五年に東京都に生まれました。一九七九年に「来訪者」で日本推理作家協会賞、一九七九年に短編集『ナポレオン狂』で直木賞を受賞しており、今も活動を続けている大御所作家であります。今回紹介する「わたし食べる人」は、一九七八年講談社より刊行された『冷蔵庫より愛をこめて』に収録されている作品です。

 

主人公のタナカ氏は三十五歳独身の男性会社員。食道楽がたたって、身長は一六六センチでありながら、体重は九〇キロもあります。そんなタナカ氏は、ある日ふとしたことで知り合った医者に、次のようなことを言われます。

 

「そこで私の発見した治療法ですが、 簡単に申しますと、薬を用いて大脳の記憶中枢と味覚とをうまく結びつけ、大脳がしっかり味を記憶するようにするわけです。こうすれば夢の中で好きなものを好きなだけドンドン食べることができます。

阿刀田高「わたし食べる人」)

 

そしてタナカ氏が渡されるのがガストロミンという薬です。この後ガストロミンによってタナカ氏の人生は大きく変わっていくのですが、後は読んでのお楽しみということで(笑)

 

今から約四十年前の作品でありながらこの作品が魅力を失っていないのは、やはりどこまでも果てない人間の「食」に対する欲望のためでしょう。

 

ふと思いましたが、脳に食事をさせるという意味では、読書も同じなのでは……いえ、いくら読んでも満腹にはなりませんね。

 

以上、阿刀田高「わたし食べる人」の紹介でした。

 

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