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コォヒィの文学小話

都内大学に通う国文学生が、自身の読書の記録を中心に、「本」に関する話題を書いています。

ノーベル文学賞作家とお菓子

前回は、本日一月三十一日が誕生日であるノーベル文学賞作家、大江健三郎の「オックステイルシチュー」を紹介しましたが、折角なので、同じノーベル文学賞作家である川端康成についても紹介します。

 

実は本日は、大江の他にも、とある作家の誕生日であります。誰かと申しますと、小島政二郎という人です。芥川龍之介菊池寛と親交のあった作家でして、小説では「眼中の人」や「芥川龍之介」などにその様子が描かれています。引き締まった堂々たる文章が印象的です。

 

さて、そんな小島政二郎、実は食通として有名です。戦後間もない頃に発刊された「あまカラ」という雑誌がありまして、この雑誌には開高健谷崎潤一郎をはじめ、多くの作家の食談が掲載されていたのですが、これに小島は、随筆「食いしん坊」を連載し、当時大反響を呼びました。

 

「食いしん坊」は言うなれば、戦前・戦後を生きた小島の舌の記憶であり、日本の食文化を観察する上でも中々興味深い作品となっています。また、文壇に名を知られる小島でありますので、当然他の作家との交友もありましたから、作家の素顔を知れるという意味でも嬉しい作品です。

 

さて、この「食いしん坊」の「十六」では、当時小島を中心に、鎌倉で定期的に開催された「菓子の会」について書かれているのですが、実はこれに川端も参加していました。

 

 鎌倉に、毎月二三十人くらいずつ集まつて日本各地のお菓子を取り寄せて食べて楽しむ会がある。

会員は各方面にわたり、種々雑多なので、座談が面白い。例えば、鏑木清方先生夫妻、田辺至画伯夫妻を始め(略)作家で川端康成夫妻、村松梢風、時々フラリと姿を現す久保田万太郎夫妻、歌舞伎通の木村錦花さん、小道具の藤浪与兵衛さんなど。

小島政二郎「食いしん坊」)

 

実は川端は大のお菓子好きで、洋菓子、和菓子どちらもござれでした。

 

例えば、東京都北区にあるフランス菓子店の「カド」この店の創業者である高田壮一郎と川端は昔からの馴染みで、高田の作る洋菓子を川端は称賛していました。店のホームページでは、川端による「推薦文」も確認することが出来ます。

 

フランス菓子カド

 

和菓子では、京都の老舗和菓子店「源水」「ときわ木」を愛していたことで有名です。大納言小豆を羊羹にのせ、それにすり蜜をかけた和菓子とのことですが、意外にもあっさりしているそうです。以下のサイトでは、川端が「源水」に送った「年賀状」が確認出来ます。

 

京菓子司 源水|老舗クローズアップ|京の逸品 老舗モール

 

川端って眼がクリクリしていますし、お菓子好きですし、何だか可愛らしいと思うのは自分だけでしょうか?何となく小動物のような印象ですし、痩せているので、庇護欲が湧きます(笑)。

以上、「ノーベル賞作家とお菓子」でした。

 

 

「ときわ木」ではないですが、たまたま栗羊羹と芋羊羹がありましたので、お茶と一緒に頂くことにします(笑)

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