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コォヒィの文学小話

都内大学に通う国文学生が、自身の読書の記録を中心に、「本」に関する話題を書いています。

鎌倉の食べ物と文学①江戸川乱歩

本日は三月三日桃の節句でございますが、まぁ、男性である私には、直接には縁のない行事です(笑)

 

強いて言うなら、昔から何故だか”雛あられ”が好きでして、三月三日は勿論、今でも時々購入して食べております。

素朴な美味しさ言いますか。それに、”雛あられ”って、何だか他に代わりが見つからないお菓子なんですよね。”ポン菓子”ともまた違いますし……。

 

”雛あられ”と言えば、私、先日大学の先輩方と鎌倉に行ってきたのですが、当地で有名な”豆菓子”の店「鎌倉 まめや」で買い物をしましたら、試供品の”雛あられ”を戴きました(写真は撮り忘れました)。

”雛あられ”も中々美味しかったのですが、それよりも当然美味しかったのが”豆菓子”。「鎌倉 まめや」では、全商品が試食出来るので、図々しくも全商品試食させて頂きましたが(笑)、特に美味しかったのが、人気三位の「フランボワーズピーナッツ」

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これは本当にお勧めです。

鎌倉まめやのHPへようこそ 懐かしさに新しさを添えた贈り物

 

そういえば、夏目漱石の好物の一つが、”南京豆の蜜かけ”だったように記憶しております。

漱石と鎌倉も縁の深い土地であります。例えば、漱石円覚寺を訪問したことがあり、それを草枕などの作品に書いております。

 

石段の上で思い出す。昔し鎌倉へ遊びに行って、いわゆる五山なるものを、ぐるぐる尋ねて廻った時、たしか円覚寺の塔頭であったろう、やはりこんな風に石段をのそりのそりと登って行くと、門内から、黄な法衣を着た、頭の鉢の開いた坊主が出て来た。余は上る、坊主は下る。すれ違った時、坊主が鋭どい声でどこへ御出なさると問うた。余はただ境内を拝見にと答えて、同時に足を停めたら、坊主は直ちに、何もありませんぞと言い捨てて、すたすた下りて行った。

夏目漱石草枕」)

 

www.engakuji.or.jp

 

 

さて、鎌倉と言えば、昔小島政二郎川端康成らによって、”鎌倉菓子の会”というものが開かれておりましたことは、以前ブログに書きました。

hontocoffee117.hatenablog.com

 

そのためという訳でもないのでしょうけれど、鎌倉にはお菓子を始め、美味しい食べ物が沢山あります。

 

例えば、江戸川乱歩の作品にも、鎌倉所縁の食べ物が登場します。

作品は、乱歩の長編の代表作の一つであり、作中で展開される独特の芸術論が興味深い「盲獣」。乱歩作品の中でも、特に人気の高いものの一つですが、この作品に、鎌倉所縁の食べ物が出て来ます。

 

鎌倉ハムです。あぶらの多い塩加減上等の、迚もうまい肉です。少しずつ目方が違うけれど、まあ一つ三円は下りませんね。卸値がですよ。(後略)

江戸川乱歩「盲獣」)

 

今ではあまり名前が取りざたされるようなことはありませんが、鎌倉ハムは、一八八七年に創業した、日本で最も歴史あるハム製造会社です。「鎌倉ハム」の”ハム”は、「盲獣」発表の一九三一年には、既に国際的にも評価の高いブランド品でした。

www.kamakura-ham.co.jp

 

偶然にも、鎌倉散歩中に、「鎌倉ハム」を看板に掲げる「一心亭」という店を発見しました。創業一九〇〇年とありますから、こちらも大変伝統のある店ですね。

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予算の関係で、今回は何も購入しませんでしたが、次回鎌倉に行った際には、何か購入したいと思っております。

 

他にもありますが、ひとまずこのくらいで(笑)

 

盲獣 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

盲獣 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)