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コォヒィの文学小話

都内大学に通う国文学生が、自身の読書の記録を中心に、「本」に関する話題を書いています。

文学者とサンドイッチ

文学 小説 料理

本日3月13日サンドイッチの日です。これは、”3”に”1”が挟まれていることから制定されたそうです。

ちなみに、日本にはもう一日”サンドウィッチの日”がありまして、それは11月3日です。こちらはサンドイッチチェーン店「神戸サンド屋」(神戸屋と関係はあるんですかね?)が制定してもので、サンドイッチの生みの親として有名なサンドウィッチ伯爵(第4代サンドウィッチ伯ジョン・モンタギュー)の誕生日であり、”11(いい)3(サンド)”の語呂合わせから制定されたそうです。

d.hatena.ne.jp

 

 

そういえば、サンドイッチとサンドウィッチ、果たしてどちらが正しいのかということについてしばし(?)話題になりますが、これはどちらでも良いそうです

要は”カンマ”か”コンマ”か、”ビニル”か”ビニール”かみたいなものらしいです(情報源は「NEVERまとめ」ですが……(笑))。

matome.naver.jp

 

 

まぁ3月13日を”サンドイッチの日”とする上では、サンドイッチの方が都合が良いですかね(笑)

 

さて、先日村上春樹の作品にはよくサンドイッチが出て来ると書きました。

hontocoffee117.hatenablog.com

 

 

そして勿論(笑)、「騎士団長殺し」にも出て来ました。

hontocoffee117.hatenablog.com

 

 

「騎士団長殺し」に出てきたのは”ハムとチーズのサンドウィッチ”でした。

そういえば、村上はサンドウィッチと書くみたいですね。

 

さて、今日はサンドイッチの日ということで、村上以外の文学者とサンドイッチに関する話をしようかと思います。

 

一人目は、詩人の草野心平です。今ではあまり読まれなくなってしまった詩人かもしれませんが、非常にユーモラスかつユニークな詩を作る人で、私の好きな詩人の一人です。

例えば、このような詩があります。

 

 

 

草野心平「冬眠」

 

嘘じゃないですよ。本当にこれだけです(笑)

 

まぁ、勿論これは手遊びのような詩でしょう(私は大好きですが)。もっと重量感のある詩も沢山書いております。

 

さて、この草野、実は食通として名高い。何せ、天下の講談社文芸文庫から出ている草野の作品は、その草野の食に関する随筆などをまとめた「口福無限」というものです。

しかし、これが傑作なんです。日常食から酒の肴まで、実に幅広く書いてあります。

 

口福無限 (講談社文芸文庫)

口福無限 (講談社文芸文庫)

 

 

そんな食通草野の随筆「ばらサンドイッチ」には、実にユニークなサンドイッチが出て来ます。

 

あやめサンド、ふじサンド、ばらサンド、つつじサンド、そんなサンドイッチはレストランのメニューにはないが私の頭の中にはある。あるだけではあくて私自身が作って食べた経験もある。手っ取り早く言えば、たとえばハムサンドのハムの代わりにあやめや藤の花や、またはレンゲ、ツツジの花びらをはさんだサンドイッチである。

それらは色どりも美しく、味も淡く甘く、そしてサラッとしている。

 

こう書かれると、何だか試したくなりますね……。勿論道端の花を抜いて食べたら腹を壊す危険がありますから、花屋などで購入したもので、ですが(笑)

 

さて、もう一人は、村上同様現代作家で、芥川賞選考委員も務める人気作家川上弘美です。私は川上作品はあまり好みではありません。センセイの鞄は嫌いではないですが(笑)

 

川上のサンドイッチは、短編集「ざらざら」の中に出て来ます。しかも、詳しいレシピまで。えらい拘りようです(笑)

 

それで、桃サンドを作ることにした。

オレンジ色の冷蔵庫の野菜室を、あたしは開ける。よく熟れた桃を、そっととりだす。指でもって皮をていねいに剥く。熟れているので、きもちよく、大きく、剥ける。きってゆく。種は残し、たっぷりとおつゆを含んだ果肉が幾片かできたら、こんどは食パンを冷凍室からとりだす。いつものようにトーストしないで、レンジでチンする。

ほどよくふわふわになった食パンに、バターだのジャムだのはいっさいぬらないで、ただきりとった桃をのせる。ぎっしりのせたら、食パンを半分におる。

 

ふわふわの食パンがつゆを吸い込んで、ややゆるくなった所にかぶりつく。想像すると、とてもお腹が空いてきます(笑)。

これは私の解釈ですが、この「桃サンド」は、桃缶の桃ではダメなんでしょうね。

 

ざらざら (新潮文庫)

ざらざら (新潮文庫)

 

 

 

それにしても……、何だか無性に、サンドイッチが食べたくなってきました(笑)