コォヒィの文学小話

都内大学に通う国文学生が、自身の読書の記録を中心に、「本」に関する話題を書いています。

森鷗外とビール

本日はフランツ・カフカの誕生日です。ドイツ文学の代表的な作家ですが、実は現在のチェコに生まれております。

ちなみに生年である一八八三年の二月二十日は、作家志賀直哉の誕生年でもあります。志賀には「釜揚げうどん」という随筆がありますが、そういえば昨日七月二日はうどんの日でした。

 

うどんと言えば、最近話題の将棋の藤井四段がよく食べていました。

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残念ながら、七月二日のオーダーは冷やし中華でしたが(笑)

 

さて、チェコとドイツ、この二つを聞いたら、カフカよりもまず想像してしまうものがあるかと思います。例えば今日のような日差しがきつく暑いに日にピッタリな……

 

そう、ビールです(笑)

 

チェコに疑問を持たれる方がもしかしたらいるかもしれませんが、実は世界で一番ビールを消費している国はチェコなんですよね。また、そもそも現在主流のビールが誕生したのもチェコであるそうです。

 

allabout.co.jp

 

さて、日本の作家でビールといえば、多分一番イメージされるのは村上春樹かと思いますが(笑)、日本の作家でドイツと関係が深い作家といえば、やはり森鷗外が一番イメージされるのではないかと思います。ドイツ三部作「舞姫」「うたかたの記」「文づかひ」は有名です。

 

この中の「うたかたの記」ではビールを飲む場面が出てきます。

 

 かく語る処へ、胸当につづけたる白前垂掛けたる下女、麦酒の泡だてるを、ゆり越すばかり盛りたる例の大杯を、四つ五つづつ、とり手を寄せてもろ手に握りもち、「新しき樽よりとおもひて、うなりぬ。許したまへ」とことわりて、前なる杯飲みほしたりし人々にわたすを、少女、「ここへ、ここへ」と呼びちかづけて、まだ杯持たぬ巨勢が前にも置かす。巨勢は一口飲みて語りつづけぬ。

 

ビールを視覚的に表現する際、何よりもその色と泡が重要になるかと思われますが、ここではその泡がしっかりと描写されています。

泡といえば、そういえば作品名「うたかたの記」の「うたかた」は泡……もしかして駄洒落ですかね?(そんなわけはない)

 

それにしても、鷗外といえば甘党というイメージがあり、酒を飲むというイメージはありませんが、留学時代の日記を見ると、むしろ結構好きだったみたいですよ。

 

森鴎外 うたかたの記

 

ちなみに、こんなアンソロジーがあるみたいです。

収録作家を見てみたら、鷗外の娘の森茉莉がちゃっかりいました(笑)