コォヒィの文学小話

都内大学に通う国文学生が、自身の読書の記録を中心に、「本」に関する話題を書いています。

女性よりもチョコレートアイスはいかが?(安岡章太郎、開高健)

今週のお題「好きなアイス」

 

昨日、今日ととても涼しく過ごしやすい天候です。毎日これならば今年の夏はとても快適に過ごせる……と期待しますが、そう上手くもいかないようで、明日は二十八度に上がる上に雨のおまけつき(笑)

 

しかし気温が上がることも悪い事ばかりではなく、冷たいものを美味しく食べることができます。現代の背徳的な楽しみの一つに「冬に暖房の効いた部屋でアイスを食べる」ということがあり、それもまた大変乙ですが、やはり夏、暑い中で食べるアイスには代えがたい味わいがあります。

 

正岡子規も次のように詠んでいます。

 

一匙の アイスクリームや 蘇る 

 

病気の小康状態で訪れた高浜虚子の家で食べたアイスのことが詠まれている訳ですが、暑い中のアイスもまた、私達をよみがえらせてくれると言えそうです。

 

以前にもこの子規の俳句には触れました。表題は宮沢賢治「永訣の朝」に由来しています。

hontocoffee117.hatenablog.com

 

今週のお題は「好きなアイス」ということで安岡章太郎開高健が食し、驚愕を受けたとうアイスをご紹介したいと思います。

 

安岡は初紹介でしょうか?安岡は「第三の新人」の一人であり、トップランナーであった作家です。一九五三年に「悪い仲間」「陰気な愉しみ」で芥川賞を受賞、一九六〇年には「海辺の光景」で芸術選奨野間文芸賞を受賞しています。

開高については何度も紹介していますので省略します(笑)

 

開高は文壇の登場は「第三の新人」より遅く、「石原、開高、大江」と括られることが多いですが、一つ先輩であった「第三の新人」、とりわけ安岡と吉行淳之介とは仲が良かったようで、随筆などで繰り返し交友が語られています。

 

今回紹介するのは安岡と開高がベルギーに旅行した際に食したアイスです。これを随筆で紹介しているのは開高ですが、実はこの随筆の題名が傑作で、「ベルギーへいったら女よりショコラだ」といいます。

 

現在でも現地で営業しているかは分かりませんが、「ラ・ロレーヌ」というレストランで安岡と開高が食事をし、そこで出された「ダーム・ブランシュ」が大変美味しかったそうです。

 

しかし、さいごにデザートとして、あとでこの店の十八番だと教えられたが、《ダーム・ブランシュ》〈白い貴婦人〉といってアイスクリームに熱いときたてのチョコレートをかけたのがでた。それをスプーンでなにげなく一口しゃくってみて、ほとんど”驚愕”と書きたくなるショックをおぼえた。

 

開高はこの「ダーム・ブランシュ」を食べて、「私はなぜ十九世紀のフランス文学ロシア文学にあのようにしばしばショコラが登場しているのかということがわかったような気がした」とまで書いています。

 

「ダーム・ブランシュ」自体は有名なアイスです。バリュエーションとして、「黒い貴婦人」というのもあるそうです。これは「白い貴婦人」の方がバニラアイスを使うのに対し、チョコレートアイスを使うみたいです。

 

www.chocolatememo.com

 

世界には数多くのアイスがあります。ねばねばしたトルコアイスであったり、ドイツのスパゲッティアイスなど。最近日本ではかき氷が人気ですが、これは台湾のかき氷に由来しているんですかね?

 

matome.naver.jp

 

「ダーム・ブランシュ」もまた、ベルギーで古くから愛されているアイスです。

 

有名店のアイスも良いですが、私はコンビニで手軽に買えるアイスが大好きでして(笑)、井村屋の「やわもち」と丸長製菓の「おいももなか」には感動しました(笑)

 

そもそもさつまいもやかぼちゃが大好きな私としては、是非今年の「やわもち」にはさつまいも味やかぼちゃ味を出してほしいなぁと。

まだ八月ですが、今から期待して待っています(笑)

 

地球はグラスのふちを回る (新潮文庫)

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